溺愛〜ラビリンス〜

爽は翔真達の後ろの席に下の奴と一緒に座ったが不満そうだ。


翔真…大丈夫か?ユズ姫の事も心配だけど、どちらかと言うと翔真の方がヤバイ気がする…ユズ姫に視線を移すと、目を爛々として嬉しそうにしている。


ベル音が鳴り響きジェットコースターが発車した。徐々にスピードを上げ、右に傾いたりカーブをしたりする度にみんなが悲鳴や雄叫びを上げる。そしてジェットコースターは急な登り坂に差し掛かった。急にスピードがゆっくりになり、一度止まったかと思うとゆっくりと上昇を始めた。


「大丈夫かな…」


俺が呟くと渉が二人の事を見つめながら


「柚ちゃんが隣にいるんだ、どんな苦手なものでも柚ちゃんを守る事を優先するから大丈夫だよ。」


と悪魔のような事を言う。それにユズ姫の前で醜態は絶対に晒したくないだろうな…



翔真達の様子を見ると翔真が心配そうにユズ姫に話しかけている。ユズ姫はそんな翔真に笑顔で返事をしている。全然緊張している感じじゃないから、多分平気だとか大丈夫だって言ってるんだろう。


ジェットコースターはどんどん上昇して頂上に達した。そこで動きが止まり数秒後一気にから下降した。




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