溺愛〜ラビリンス〜

安全ベルトが外され、みんながゾロゾロと降り立ち翔真とユズ姫も降りてきた。


「あー楽しかった!渉くん達も乗れば良かったのに。」


残念そうに言うユズ姫に渉が明らかに乗らなくて良かったと思っているのが分かる表情で返事をする。


「俺達は良いよ。女の子って意外と絶叫系が好きだよね。俺達は柚ちゃん程好きじゃないからね?」


「そうなの?」


キョトンとした表情で聞くユズ姫…心の中で俺も渉の意見に頷いた。

ユズ姫の後ろにいる翔真を見ると顔色が悪い。やっぱりムリしたんだな… 翔真に同情する気持ちと、どんな所でもユズ姫とだったら行く覚悟の翔真に尊敬の眼差しを向けた。


「翔真大丈夫か?」


「…あぁ。」


返事をするが、どう見ても大丈夫じゃない様子の翔真をみんな心配そうに見ている。


「翔真ここに座ってろ。」


渉が自分が座っていた場所に翔真を座らせる。やっぱりジェットコースターが苦手だったか…


「翔兄ぃ大丈夫?」


ユズ姫も心配そうに近寄り翔真の顔を覗きこんで聞く。そんなユズ姫に翔真は笑顔を見せている。





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