溺愛〜ラビリンス〜

「大丈夫だ。柚、心配するな。それより危ない事したり一人になったりするなよ?」


「うん。」


「渉。」


翔真は渉に目で指示する。自分は具合が悪いからユズ姫を任せるって事だろう。


「…分かってるよ。」


「ユズユズ次は何乗るの?」


爽が空気を察して、いつもの呑気な感じでユズ姫に話しかける。


「うーんと…あれが良い!」


ユズ姫が指指したのは、やはり絶叫系の乗り物で上下に動くのだが、動くと言うより落下する乗り物だ。


しかも床がなく足が宙ぶらりんの状態…ある意味さっきのジェットコースターと同じか、もしかすると人によってはこちらの方が怖いって思うかもしれない。


「ゆ、柚ちゃん…大丈夫なの?」


渉も焦っている。


「ユズ姫…別のにしない?」


健人が恐る恐る聞く。健人にとっては、生死を分ける死活問題だ。


「えーっ、あれは絶対乗りたいの!」


ユズ姫は乗る気満々だ… 健人はガックリと肩を落とし、頬を引きつらせている。さっき次の乗るって言っちゃったもんな。諦めろ健人?みんなで骨は拾ってやるからな?




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