溺愛〜ラビリンス〜

まったく…ワクワクしてるのはユズ姫だけだよ。


俺達はバクバクしてるとか、死にそうでクラクラしてるとかそんな感じだからね?そんな事を言える訳ないけど…一人そんな事を考えている間に俺達の順番がきてしまった…


丁度三人乗りなのでユズ姫を間に挟んで俺達三人で座った。座っただけで口から胃が飛び出しそうだ…こんな乗り物乗る位ならバイクでぶっ飛ばしていた方が百倍マシだ…


「チッ」と思わず舌打ちが出てしまうとユズ姫の向こう側からも舌打ちが聞こえてきた。


舌打ちの方向を見ると健人が苦虫を噛み潰した様な表情でいる…分かるよ…健人。俺だって同じ気持ちだ…何でこんな事してんだか…


「健人ー!凌ー!頑張れよー。」


爽の奴が呑気な様子で声をかけてくる。ふざけんな!何をどう頑張れってんだよ!こっちは死にそうなんだよ!死んだら呪ってやるからな?覚えてろよ?
俺がそう思いながら睨みつけると何か感じ取ったのか爽は視線を逸らした


その様子を見て渉が悪魔のような事を言う。


「凌そんなガン飛ばしても無駄だぞ?折角爽が応援してくれてるんだ感謝しろ!」




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