溺愛〜ラビリンス〜

「キャー!最高!」


対象的に健人は顔を青くしてボルテージは下がりっぱなしだ。


「止めろー!」


と喚いている。健人の叫びも虚しく、再度頂点まで上がってそこから急下降をする。


「ギャーッ!」


健人の絶叫が園内に響き渡る。俺は今度は心の準備ができていたもののやはり怖いものは怖い。


「ウワーッ」


目を閉じて何とか地獄の時間をやり過ごそうとした。


急降下してこのまま終わる事を願っていたが、下降は途中で終わりまたしても上昇を始めた。

何で下まで行かずにまた上るんだよ!ふざけんな!!俺の中で何かがプツンと切れた。


「ふざけんなー!止めろ!いつまで上がったり下がったりしてんだよ!止めろー!」


俺が叫び出した事によりユズ姫は俺と健人の二人が両側で喚いている状況になり、流石に天然な姫もヤバイ事に気づいたようだ。


「えっ?えー!健人くん?凌くん?どうしたの?」


俺達の様子に驚き慌てているユズ姫…




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