溺愛〜ラビリンス〜
「プーッ、クックックックッ…」
「わ、渉…笑っちゃ可哀想…ッだ…プッ…」
「ッツ、お前だって…笑ってんだろ?クックッ…」
下では相変わらず、爽と渉が馬鹿みたいに笑っている。アイツ等後で仕返ししてやる。俺は恐怖の合間に復讐を心に誓った。
「柚!健人と凌は気にするな!お前は自分の安全を考えろー。いいな?」
翔真は相変わらずユズ姫を心配してユズ姫の事だけを見ている。恐らく喚いている俺達など頼りにならないと思い、このメンバーで乗せた事を後悔しているんだろう。
結局、乗り物が止まるまで喚いている健人と、ぶっちぎれた後、顔面蒼白になり最後意識を飛ばした俺…地獄の時間が終わった時には、俺も健人も生きる屍となっていた。
普段、冷静沈着なチームの頭脳と言われる俺と泣く子も黙る特攻隊長の健人の取り乱しようは、ブラックホークスの語り草となった。