溺愛〜ラビリンス〜

「ヒドーイ」


と泣き真似をする爽。


マジでうざい。それでなくても翔真の機嫌が悪くて大変なんだから止めてくれ。俺は眉間にシワを寄せて爽を睨んだ。

爽が睨む俺に何か言おうとした時、ドアが開いて健人と黒王子が入って来た。

さぁ、いよいよ始まりだ。



四人が近づき翔真の前で立ち止まる。

口火を切ったのは黒王子だった。


「何の用だ。」


睨み付けながら低い声で聞く。


「俺がお前等を相手にするのは、柚以外の事であったか?」


翔真も負けずに低い声で返し、椅子に座ったまま黒王子を睨み付ける。


「フッ。俺も柚の事でなきゃ、お前の呼び出しなんか無視する所だ。」


おいおい翔真に喧嘩売る気か?


「相変わらず可愛いげのねぇ奴だな。」


と言う翔真に


「お互い様だ。」


黒王子が無表情で切り返した。


「お兄さん、柚ちゃんの事って、今朝の件ですか?」


と今度は白王子。

おいおいお兄さんて…翔の眉間にシワがよる。不味いだろ…

黒王子もだが、こっちもにこやかなふりして喧嘩売ってんのか?食えねぇ奴等。





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