溺愛〜ラビリンス〜
俺の心臓がこのままではもたないと思っていると、柚と乗った乗り物に乗った凌と健人の奴が馬鹿みたいに絶叫し騒ぎ始めやがった。
馬鹿ども!お前等何やってんだよ!柚の事守る為に一緒に乗せたのに、柚を驚かせたり心配させてどうすんだよ?俺は余りの馬鹿さ加減に飽きれた。
「柚!健人と凌は気にするな!お前は自分の安全を考えろー。いいな?」
爽と渉が面白がって笑っている。
乗り物が止まるまで喚いた健人と顔面蒼白になり最後意識を飛ばした凌、キャーキャーと楽しんでいたが両脇の二人の異常な状態に一転オドオドしている柚…
「柚、大丈夫か?」
乗り物から下り、戻って来た柚に近づき声をかける。
「私は大丈夫だよ?でも…健人くん達が…」
柚は不安気な表情で心配しながら二人を見ている。
下の奴等もいつもの健人と凌からは想像できない状況に驚き、恐ろしいものでも見るような目で見ている。
「柚、怖くなかったのか?」
健人と凌がこれだけ怖がっているんだ、柚も恐怖を感じたのではないかと心配した。
「怖くないよ?楽しかったよ?もっと乗りたいな…」