溺愛〜ラビリンス〜
「誰がお兄さんだ?俺はお前等の兄貴になる気はねぇ!」
不機嫌パワーアップで凄む翔真。
「ハッ、俺もお前の事、兄貴なんて呼ぶ気はねぇ。」
黒王子が吼える。
「そうなんだ。じゃあ、柚ちゃんは僕がもらうから悠斗は、もう柚ちゃんにもお兄さんにも関わらないでいいじゃん。」
勝ち誇った様に言う白王子。
翔真と黒王子の眉間に更にシワが寄り、白王子を睨み付ける。
「何で柚をお前にやらなきゃなんねぇんだよ。」
「お兄さんて呼ぶな!柚はやらねぇ!」
翔真と黒王子が同時に怒鳴る。
この凍りついた空気どうするんだ?と考えていると渉が口を開いた。
「鷹宮君、いくら白王子でも翔真に喧嘩売るのは止めた方が良い。悠斗も口の聞き方に気をつけろ。」
睨む渉に吐き捨てる様に白、黒王子が言う。
「今更だろ。」
「僕は喧嘩なんか売ってませんよ。ただ本音を言っただけです。」
はぁ、コイツ等…
「二人共もう柚に近くな。柚はブラックホークスの姫だ。お前等でも近づくのは許さない。いいな?」
翔真が今までで一番低い声で言う。