溺愛〜ラビリンス〜

「あ、あの…えっと…襲われてはいない…です。」


柚…嘘をつけない性格なのは分かるが、その言い方は何かあったって言ってるのと同じだぞ?

案の定、その場にいる全員がそれを察知し空気が変わる。


「ユズユズ、翔真に何されたの!?」


爽が慌てて柚に聞く。


「えっ、えっ?」


爽の問いに焦る柚…


「柚ちゃん、翔真に変な事されたなら正直に言って良いんだよ?」


渉がいつもの王子スマイルで柚に言う。


「渉くん…本当に大丈夫だよ?」


「そっか…それなら良いけど、柚ちゃんと密室に二人きりだから無理やりキス位したかと思った。」


「翔兄ぃは無理やりなんてしないよ?ちゃんと聞いたよ。」


爆弾発言をする柚にみんなの動きが一瞬止まり、水を打ったように静かになる。


「ふーん…翔真は聞いてからキスしたんだ?」


みんなが我に返ると、健人が突っ込んだ。多分みんな同じ事を思ったようでニヤニヤと俺の顔を見ている。コイツ等からかう気満々だな?


「えっ?えっと…」


柚はまだ自分で墓穴を掘った事に気づいてない。




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