溺愛〜ラビリンス〜
誰が盛ってんだよ!ふざけんな!と怒鳴りたいのを我慢して視線を反らすとジーッと見ている健人と視線が合う。
「…何だ健人?」
物言いたげな視線に声をかけた。
「…翔真でも自分からキスしたくなる事あるんだな…」
は?どう言う意味だ?健人の言葉に、眉間にシワを寄せ黙る。
「だってさ、翔真がイチャついてる所って何か…イメージが…」
イメージってどう言う事だよ?俺がキスをするのがおかしいってのか?俺は好きでもねぇ女とキスすんのも、まとわりつかれるのも嫌なだけだ。好きな女とキスしたいって思うのは普通だろ?俺だって普通の健康な男子高校生なんだよ!人を化け物か怪獣と勘違いしてんじゃねぇよ!
「健人?」
俺が睨み付けて低い声で呼ぶと、健人の肩がビクンと動く。
「わ、悪かった…分かってるよ。好きな女以外にまとわりつかれるのが嫌なんだよな?それでユズ姫は傍にいて良いんだろう?」
健人が慌てながら言う。分かってんなら変な事聞くな…ったく…
「あの…その…」
俺達の会話に柚は顔を赤くしている。