溺愛〜ラビリンス〜
「柚…大丈夫だ。気にしなくて良い。コイツ等はデリカシーが欠片もねぇんだから気にするだけ無駄だ。この中に柚みたいな繊細な神経の持ち主はいねぇからな?」
「翔兄ぃ…」
「ちょっと翔真ひどくない?」
「そうだ。俺達だって繊細だぞ?」
上から柚、爽、凌が俺に言葉を返す。
「お前等のどこが繊細なんだよ!繊細な人間はデリカシーのねぇ事聞いたり言ったりしねぇんだよ!」
「分かった分かった。悪かったよ。でもみんな二人の仲が良いのを見て嬉しいんだよ…だからちょっとからかったんだ。良かったな…翔真?」
渉の言葉にみんなが頷く。渉が視線を柚へ向ける。
「柚ちゃん、翔真とは兄妹としてずっと一緒にいたんだからこれから先も全力で守ってくれるって事分かるよね?」
「…うん。」
「翔真は誰よりも柚ちゃんの事、大事にしてきたしこれからもだ。そして誰より柚ちゃんの事分かってくれるよ?柚ちゃんが傍に居て絶対に幸せになれる相手だから…翔真と一緒に歩む事を考えてやって?勿論、柚ちゃんの気持ちが最優先だけど…」
「渉くん…分かってるよ。ありがとう。私よく考える。真剣に考えて翔兄ぃにもゆうくんにも返事をする。」