溺愛〜ラビリンス〜
「そっか…焦る事はないよ。よく考えて結論出して?」
「うん。私トロいからすぐに考え纏まらなくて…だからもう少しよく考えて返事をする。みんなにも心配かけてごめんね?」
「もう良いだろ?」
俺が言うとみんな満面の笑みで頷いた。
「ねぇそろそろお昼にしよう?」
柚がその場の空気を変えるように言うと、爽が目を輝かせた。
「やったぁ!ユズユズのお弁当食べられる。早く行こう?」
「爽くんそんなにお腹空いてたの?」
「おも腹空いてるけどユズユズのお弁当が食べたかったんだよ。翔真はいつも作ってもらってるけど、俺も食べてみたかったの!」
「そうなの?もっと早く言ってくれれば作ったのに…」
柚は本気で爽に毎日作りそうだ。柚の弁当を食べるのは俺だけの特権だ。例え仲間でも許せない。
「ダメだ!爽、余計な事柚に言うな。」
俺は威嚇するように爽を睨んで話を止める。
「翔兄ぃ?」
柚は何故俺が不機嫌になったか、意味が分からないという様子で俺の事を見ている。
「ハァ…柚?爽に普段から弁当を作らなくて良い。分かったな?」