溺愛〜ラビリンス〜
「えっと…ダメなの?」
「ダメだ!」
俺の断固とした言い方にそれ以上逆らえないと思ったのか、柚は何も言わず返事をする。
「分かった」
「でもみんなでお出かけした時は良い?」
柚が遠慮がちに伺うように聞いてくる。
「あぁ特別な時は仕方ないからな?良いぞ。」
「うん。」
俺の言葉に柚は嬉しそうに頷いた。
「爽くんまたお出かけした時には必ず作ってくるね?今日もいっぱい作ったから沢山食べてね?」
「話が着いた所で下の奴等に場所取りさせておいたから行こう。」
さすが凌だな。絶叫系の乗り物には弱いが、そういう段取りに抜かりはないな…
場所を確保したのは園内の芝生にベンチがいくつかあり休憩したり、寛いだりできるスペースで木陰の一角に青いシートが敷かれていた。
俺達が行くと場所取りしていた奴等が立ち上がり挨拶してくる。
「「お疲れ様です。」」
「お疲れ様。」
渉が挨拶をしてシートの敷かれている周辺を確認している。
「場所取りご苦労様。」
凌は場所取りした奴等を労っている。