溺愛〜ラビリンス〜
「ユズユズ!俺の事下品て…ひどいと思うだろ?」
「う、うん…そうだね。」
「ユズ姫、爽の事をそんな構わなくて大丈夫だから…」
「どう言う意味だよ!健人。」
柚が止めても延々と続く言い合い。
「お前等いい加減にしろ!」
渉が一喝するとピタッと止まる言い合い。二人は恐る恐る振り返り、渉の事を見て「ヒッ」と悲鳴を上げ青ざめる。
「そんなに喧嘩したきゃ柚ちゃんから離れた場所でやってこい。誰も止めないから。腕の一本や二本折ってもお前等なら大した事ないしな?」
恐ろしい事をサラッと言う渉に二人は、首を横に振りもう言い合いをしないと謝る。
まあ渉に逆らうと大変な事になるからな?賢明な判断だ。
「まったく…仕方ない奴等だな…翔真、問題ないな。」
渉が呆れながら此処で昼飯にする事にOKを出した。
「分かった。柚、此処で昼飯にするぞ?」
「うん。じゃあお弁当…」
「ここです。」
下の奴が預かっていた弁当の入った大きな籠を柚に渡す。