溺愛〜ラビリンス〜

「ありがとう。」


柚が笑顔でお礼を言い受け取ると、渡した奴は顔を赤くしている。柚、その笑顔を俺以外に見せるな!と怒鳴り出しそうになるのを堪える。


籠の中には五段の重箱の他、百均で購入した使い捨ての紙製のBOX、タッパーなどがいくつも入っていてかなりの量の食べ物が入っていた。


「柚ちゃんこれ一人で作ったの?」


みんな同じ事を思ったようで代表して渉が聞いていた。


「うん。」


「これだけの量作るの大変だったでしょう?」


「うん。でも昨夜のうちに下ごしらえしたり、作れる物は作っちゃったからそんなでもなかったかな?」


柚は嬉しそうに答えていた。
籠から出された物がどんどん並べられていく。本当に凄い量だ。人数分は足りないだろうから、園内で買い足そうと思っていたが大丈夫そうな感じだ。


「さぁ準備できた。ジュースとかお茶とかも回った?」


「大丈夫だよ。みんな行き渡ってる。」


「そう。じゃあ、頂きましょう?皆さんご一緒にせーの!」


「「「「「「「「頂きます!」」」」」」」」


柚のかけ声でみんなが頂きますをして食べ始めた。






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