溺愛〜ラビリンス〜
「みんな俺からも…柚の事、これからも頼む。」
翔兄ぃが頭に手を置いたままそう言うと話題を変えるように私に話しかけてきた。
「柚、昼飯も終わったから行きたい所があれば言え。今日は柚の希望は大抵は叶えてやる。」
「いいの?」
「あぁ…」
「じゃあ、まだ乗ってないジェットコースターに乗りたい!」
私はウズウズとしてる絶叫系への欲望を素直に口にした。
「「「えっ…」」」
「柚…」
「ユズユズまだ乗りたいの?」
渉くん達は固まり、翔兄ぃは私の名前を呼んだきり何も言わなくなった。そして爽くんが嬉しそうに聞いてきた。
「あの…私ダメな事言っちゃた?」
「いや…柚ちゃん疲れてないの?」
「うん、大丈夫だよ。」
「そう…」
渉くんは何故か困ったように聞いてきた。やっぱりダメだったのかな?
「ユズユズ、じゃあ早く行こう!まだ乗ってないジェットコースターは2つあるよ!」
私が口を開きかけた時、爽くんがそう言って手を引っ張った。