溺愛〜ラビリンス〜
爽くんのそういう所を見習わないと…と思う。クヨクヨしてばかりいる私は、みんなに迷惑ばかりかけているもの…
爽くん位ポジティブになれるように頑張ろう。そんな事考えながら並んでいるうちに順番になった。
私の大興奮の楽しい時間が始まった。
その後もいくつかの絶叫系の乗り物に乗って満足した私は、亜莉沙と有希にお土産を買う為にショップに寄ってもらった。そしてお揃いのストラップを買って遊園地を後にした。
帰りの車の中、とても楽しい1日だったと思いながら車窓を見つめていると隣に座る翔兄ぃが呟く。
「また来ような…」
翔兄ぃの顔を見ると真顔でこちらを見ていてドキンとする。
「うん!」
一瞬間をおいて笑顔で返事をした。
この遊園地での1日が私の中で何かをふっ切るきっかけをくれたと思う。
この日家に帰って一人になって私はひとつの決断をする。
少しずつ前進する為に私はいくつも考えたり、決断したりしなければならない事がある。
それは避けて通れない。だから私は私の気持ちに素直に向き合って行く事にした。
まず最初に向き合うのは…目を閉じてその人の顔を思い浮かべながら眠りについた。