溺愛〜ラビリンス〜
姫の決断
坂本 悠斗 side
柚が学校に来るようになり、俺もそしておそらくは翔真やブラックホークスの奴等も、徐々に安心し落ちついていった。
今朝も嬉しそうに朝の挨拶をしてきた柚に、安らぎと幸せを感じながら柚の教室まで一緒に歩く。
「ゆうくん…あのね?昨日チームのみんなと遊園地に行って来たの。」
遊園地?アイツ等揃って遊園地に行ったのか?俺は想像して可笑しくて仕方なかったが何とかこらえた。
「…そうか。」
「うん。それでね?これ…ゆうくんにお土産!」
柚が笑顔で小さな紙袋を差し出した。
「…サンキュー。」
俺が受け取ると、柚は更に嬉しそうな顔をした。
「フフッ。私とお揃いなの。ちゃんとつけてね?」
「あぁ…」
柚とお揃いという言葉に顔がにやける。何を買ってきたか知らないが、柚とのお揃いは俺の宝物になる。
「柚?」
「何?」
「翔真と遊園地行ったなら、俺ともどこか一緒に行かないか?」
思い切って柚をデートに誘った。スッゲェ、ドキドキする。
「ゆうくんと?」
「嫌か?」