溺愛〜ラビリンス〜
まず翔真に話しを着けないと実現不可能だしな… どう話しを着けるか?あれこれ考えていると眉間にシワが寄りすごい怖い表情をしていたようで、教壇の方から咳払いが聞こえてきた。
フッと意識を現実に戻し咳払いのした方を見ると、こちらをチラリと見ながらも俺に注意できずにいる教師が目に入る。そのまま周りを見ると、周囲の奴等が俺を恐れビクビクしながら視線を合わせないようにしている。
ヤベェ…無意識に周りをビビらせちまったか…仕方なく俺は視線をさ迷わせながら、
「ン、ンンッ!」
咳払いした。
それに合わせるように龍也が フォローを入れる。
「先生授業を続けて下さい。」
龍也の言葉に教師は慌てた様に授業を再開する。
「そ、そうだな。」
背を向け黒板に書き始める。それに合わせ教室の空気も元の授業モードへと変わった。
龍也は昔から常に学年で一、二を争う程、成績が良く学校では優等生で通っている。だから教師のウケも良くフォローは完璧にやってくれた。まぁ、これも龍也の役割の一つだしな……
授業はそのまま何事もなく終わり教師が教室を出て行くと、龍也と大輝が近づいてくる。