溺愛〜ラビリンス〜
「姫…姫は今のままで良いんですよ。って言うか総長もみんなも、今の姫が好きですからそのままでいて下さい。」
「そうです。姫が変わったりしたら、総長が心配します。それに原因になった奴は殺されます。」
親衛隊の子達が少し青い顔色で言う。
「殺されるなんて…大袈裟だよ。それに翔兄ぃは優しいからそんな事しないよ。みんなそんな心配しないで?」
「「「「「「………」」」」」」
私がそう言うと何故か沈黙が流れた。
「……?」
どうしたのかな?
「ハァ……ユズユズに翔真の怖さを話したって分かるわけないだろ。さぁ行くぞ。」
私が疑問に思っていると、爽くんが呆れたような口調でみんなにそう言うと、みんなが納得したように返事をする。
「「「「「はい。」」」」」
「ユズユズ行くよ?」
私にも声をかけてきた爽くんに疑問をぶつけてみた。
「うん…ねぇ爽くん、何でみんな翔兄ぃが優しいって言ったら静かになっちゃったの?」
「ユズユズ、翔真が優しいのはユズユズにだけだからね。みんなに優しいって言っても分かんないんだよ。」