溺愛〜ラビリンス〜
渉くんの言葉がすぐに分からなかったけど、意味が分かった瞬間、信じられずバッと辺りを見回してみた。
渉くんが言うように、みんなが沈黙したままじっと私と翔兄ぃを見ていた。は、恥ずかしいよ!ここ外だったんだよね……しかも校門前……私ったら本当に恥ずかしい……
「おいお前等、柚を見るな!」
私が恥ずかしい思いをしているのに気づいた翔兄ぃが庇ってくれる。みんなは翔兄ぃの総長命令に視線を反らしてくれる。
よ、良かった……今のうちに車に乗っちゃおう。
「翔兄ぃ……車に乗るね?」
私は翔兄ぃに声をかけさっさと車に乗ろうとした。
「あ?じゃあ行くぞ?」
翔兄ぃは私の手を掴んで手を引いて、一緒に車に乗り込んだ。
一人で乗ろうと思ったのに……これじゃまたみんなに見られちゃってるよ……恥ずかしいよ……
バタンと車のドアが閉められて外と遮断される。。
「ハァ……」
私がため息を吐くと
「どうした柚?大丈夫か?」
心配そうに翔兄ぃが聞いてくる。