溺愛〜ラビリンス〜
「う、うん…大丈夫だよ。」
翔兄ぃに心配かけないように返事をするけど、顔が引きつっている気がする……
「……気にする事ないからな。柚は何も気にしないで俺の傍に居れば良いんだ。」
翔兄ぃが優しく話しかけてくれる。
「翔兄ぃ、ありがとう。あのね?私、翔兄ぃが頭撫でてくれるの小さい頃から大好きなの。でも……やっぱり外では……ちょっと恥ずかしい……」
顔が熱くなるのを感じながら自分の気持ちを翔兄ぃに伝えた。
「フッ……そうか。」
翔兄ぃが怒ったり傷ついたりしないか様子を伺うと、何故か嬉しそうな表情で私を見つめる。
「翔兄ぃ?」
私が何でか分からず問いかけると、翔兄ぃは心得たように話してくれる。
「柚……それは俺と柚が今までは兄妹だったから頭を撫でても何とも思わなかったのに、恥ずかしいと思うようになったのは柚が俺を兄としてでなく、男として意識するようになったって事なんじゃないか?」
「えっ?」
私が翔兄ぃを兄としてでなく男として意識しているの?だから恥ずかしいって思ったの?