溺愛〜ラビリンス〜

秋津 凌 side


翔真達が倉庫に入って来た。


遠くで下の奴等が挨拶している声が聞こえてきた事で到着した事が分かった。


しばらくすると階段を上がってくる足音が聞こえ、足音が近づき幹部室のドアが開いた。


「お疲れ。」


俺が声をかけると真っ先に挨拶を返してくれるユズ姫…


「お疲れ様凌くん!」


「お疲れ……」


続いて渉の声がする。


「ユズ姫疲れてない?」


俺はユズ姫に話しかける。


「ううん…大丈夫だよ。」


笑顔で答えるユズ姫とは対象的にさっきから言葉を発しない翔真……


機嫌悪いな……何があったんだ?


明らかに機嫌の悪いオーラを発する翔真に声をかけるか迷い渉を見る。

俺の視線の意味に気づいた渉が、苦笑しながら首を横に振る。声をかけるなという事だろう……俺は視線をユズ姫に戻し会話を続ける。


「ユズ姫おやつ用意してあるから爽が来る前に食べてね?アイツがいるとユズ姫のおやつまで狙われるから……」


「プッ……爽が聞いたら怒るぞ?まぁ凌の言う事に否定できないけどね?」





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