溺愛〜ラビリンス〜

「ハァ……仕方ないだろ。いつかは決着を着けなきゃならない事だ。翔真だって黒王子だって、いつまでもこのままでいられないのは分かってるだろうし、今回のようにならない為にもユズ姫が誰のものかハッキリしておくべきだ。」


俺は重苦しい気持ちで健人に言う。

健人の心配も分かるが、もうそんな事言っていられる段階は過ぎたんだと思う。


「そうだな……心配なのはみんな同じだけど、凌の言うようにハッキリさせるべきなんだ。だから翔真と柚ちゃんの事を見守ろう……例えどんな結果になったとしても……」


渉も苦しそうな顔をしている。


「……そうだな。」


健人も俺達の言った事に納得して頷いた。


「分かった……」


爽もいつもの調子はなく神妙な面持ちで呟く。 俺は渉と視線を合わせ頷く。


多分、今ここにいるみんなが同じ気持ちだろう。翔真の気持ちを全て理解してやる事は無理だけど、どんな事があっても俺達は仲間として翔真の味方でいる。どんな結果になっても翔真が苦しんでいるなら支えてやろう……


もう間近に迫った姫の決断を俺達は翔真と共にじっと待つ……


親友としては翔真の事を選らんでやってほしいと思う。こんなにユズ姫の事を想い、考えている奴はいないと思う。

でも誰も君に強制をしちゃいけないから自分の希望は口にしない。


どうか翔真の想いが君に届きますように……祈らずにはいられなかった。





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