溺愛〜ラビリンス〜
「想定内なのか?」
「そうよ。あれだけ好き好きビーム出されれば分かるに決まってるでしょ?……それに柚は私が育てた娘よ?モテて当然だわ。」
「クックックッ……ったく、心配して損した。」
俺が思わず本音をこぼすと母さんは呆れた顔をした。
「何が損したよ!あんた自分の親が好きな子の親だからって、チョロいとか思ってんだったら大間違いよ?私はあんたの母親だけど、柚の母親なんですからね。厳しくチェックするからね!」
「…何だよ、チェックって……?」
「フフフッ、うちの娘をいい加減な奴にはやらないって事!」
「母さん!」
俺の気持ちを認めてもらえてホッとしたのも束の間、何だか脅されている気がする。
「まっ、とにかく頑張りなさい。」
「……サンキュー母さん。」
「フフッさっ、うどん作るわね?」
「…あぁ。」
母さんと昼食を食べ、部屋に戻ると着信音が鳴る。渉からだ。
「……はい。」
「翔真?」
「あぁ…」
「今、大丈夫か?」
「あぁ。」