溺愛〜ラビリンス〜
「柚ちゃん出かけたのか?」
「あぁ……」
「そっか……今、凌や健人と一緒にいるんだけど、たまには俺達だけで走らないか?」
多分、渉達は俺の事を心配して励まそうとしてんだろう。あれこれ考えて誘ってるんだと思うと仲間の優しさに感謝した。
「そうだな。……良いかもな。」
「そっか…じゃ、一時間後ルイーザに集合で。」
「あぁ……渉、サンキュー。凌達にも伝えてくれ。」
「…分かった。」
通話を終え着替える。
今は渉達の優しさに甘えよう。
待ち合わせのルイーザについた。ここは昔からブラックホークスが溜まり場として使っている店だ。
店に入ると顔馴染みの店員に挨拶され、すでに渉達が来ている事を告げられた。
一番奥のいつも俺達が使う席に向かう。
「待たせたな?」
俺が声をかけると、健人がこちらを見る。
「いや俺達も来たばかりだ。」
「そうだよ。あー楽しみだな。俺等だけで走るなんてどれ位ぶり?」
爽がウキウキした様子ソファーから立ち上がる。