溺愛〜ラビリンス〜
「そうだな。幹部になってからチームとしての走りはあったけど、俺達だけでってできなくなってたな……」
渉の言葉に隣の凌が諫めるように返す。
「仕方ないだろ。幹部としてチームの事を優先させなきゃなんないし、そんな時間もなかったしな……」
「確かに…そうだな。」
健人が凌の言葉に頷いた。
「そうだけど今日は楽しもうよ!早く行こう?」
気がつくと、爽はすでに入り口に向かっていた。
「ったく。」
爽に呆れた様な凌。
「翔真どうする?」
すぐに出るか、店で少し休むか凌が聞いてくる。
「爽が待ちきれないみたいだ…このまま行こう。」
「「了解。」」
渉と凌が返事をした。
先頭を切って店を出る爽に続き健人、凌が店を出る。渉と俺もその後から出ると、爽はすでにバイクに跨がっている。
「早く行こう。」
すぐに発進しそうな爽に凌が後頭部を叩く。
「落ち着け。」
「イッテェ……」