溺愛〜ラビリンス〜

「まったく……お前幹部なんだからもっと下の奴等に尊敬されるような行動しろよ。今日は俺達だけだから良いけど、チームの品位に関わるぞ?」


渉の説教が始まってしまった。爽はウンザリした顔をしている。


「翔真、今日は久しぶりにバイクだな。」


健人が話しかけてきた。チームで走る時は総長の俺はバイクではなく車に乗っているから、総長になって以来、走りでバイクに乗るのは久しぶりだ。


「そうだな…そういう意味じゃ、爽より興奮してるかもな?」


「そっか…今日は久々に思いっきりぶっ飛ばそうぜ?」


俺の言葉に健人が嬉しそうに言う。


「あぁ。」


俺も笑顔で答えた。


「行くか?」


そう言って自分のバイクへと向かった。


俺がバイクに跨がりキーを回すと、凌や健人もエンジンをかける。説教をされていた爽と説教をしていた渉もいつの間にか説教タイムを終え、バイクに跨がっていた。


全員がエンジンをかけ準備ができたのを確認して出発の合図を送った。




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