溺愛〜ラビリンス〜
「変わんないな……」
健人が呟く。
「…変わんないってのはチームの力がきちんと機能して街を先代達の頃と同じように守れているって事だ。」
凌が健人の言葉に答える。
「そうだな…。」
渉はそれしか言わず街並みを眺めている。
「……お前達のお陰だ。俺が総長になってからここまで俺を、チームを支えてくれて本当に感謝している。」
俺が渉達にそう言うとみんな目を見開き驚いた顔をしている。
「何だ?」
俺が問いかけると爽がらしくなく戸惑った顔をしている。
「いや……今まで翔真がそんな事言った事なかったからさ…ちょっとビックリした……。」
「クククッ…そうか?そうだな…総長になってからお前等とこんな風に幹部としてでなく、話しができたのは初めてかもな?」
「フッ…そうだな。ただの仲間として親友としての時間や会話は総長、幹部になってからなかったんだな…」
渉が呟く。
「俺達はこの街を守っているチームだ。」
「「あぁ。」」
「これからもよろしく頼む。」
俺は渉達に頭を下げた。