溺愛〜ラビリンス〜
助手席に人が乗っていると思っていなかったので、更にビックリしてしまった。
「驚かせたかな?」
私の思考を読んだ龍也くんが、笑顔で聞いてくる。
「あっ、はい!」
思わず本音をそのまま返事してしまう。
「フッ……柚ちゃん相変わらずだね。」
龍也くんの言葉に??が出る。
「柚、龍也の言う事は気にするな。」
でも…気になる…私がジーッとゆうくんに視線を送るとゆうくんは諦めたような顔をした。
「フーッ……あのな…柚は昔と変わらないから龍也は嬉しいんだよ。」
そうなの?龍也くんとはそんなに会ったり、会話したりしてないと思うけど…龍也くんは私の事そんなに見てたの?
「あの……龍也くんの記憶の私ってどんな……」
「ブッ…」
私が聞いてる途中で龍也くんが吹き出した。
「あはは。ゴメン。そうやって何でも聞いてくる恐いもの知らずな感じ?かな……」
えっ……
「龍也止めろ。」
ゆうくんが龍也くんを咎める。
「ゆうくん……」