溺愛〜ラビリンス〜
「…ごめんなさい。」
「ハァ……柚、それが柚の結論なんだな?」
「…うん。」
「……翔真を選ぶって事なんだな?」
ゆうくんは確認をするように聞いてくる。
「……うん。」
私が返事をすると、突然スッポリと温かい腕に包まれた。
「……このままでいさせてくれ……」
ゆうくんの声が震えている。
「ゆうくん……ごめんなさい。もし翔兄ぃが居なかったら…私はきっとゆうくんを選らんでると思う。翔兄ぃもゆうくんも昔から私の事を大切にしてくれた…私にとっても二人は同じ位大事な人なの。だから…選べなかった…でも…ゆうくんも翔兄ぃも、私が選ぶ事を結論を出す事を望んでいる…だから私は真剣に考えたけど…どうして良いか分からないくらい二人とも大事で、大好きなの。こんな優柔不断で二人を待たせている私は、凄く嫌な女だって思うけど…凄く悩んだの…そして結論を出したの…こんな結論でごめんなさい…ゆうくん。」
私はどうして良いか分からなくなっていた。でも顔は見えないけど、ゆうくんが泣いているような気がしてギュッと抱きしめた。