溺愛〜ラビリンス〜
「柚…」
私を抱きしめるゆうくんの腕の力も強くなる。
「……ゆうくん…ごめんなさい。何回も助けてもらって、いっぱい優しくしてもらったのに……」
「……」
「私は酷いって思う……ごめんね……許して……」
「柚……」
ゆうくんが腕を緩め体を少し離した。顔を会わせる状態になってゆうくんと視線が合う。ゆうくんの瞳が揺れていた。
「ゆうくん…」
「柚…柚の気持ちを受け入れると言った…だから柚の気持ちが翔真に向かうなら…俺は柚の気持ちを尊重する。だけど……今夜は一緒にいて欲しい。最初で最後だ……柚を今日だけ俺にくれ……それで柚の事をこの想いを諦める。」
「ゆうくん…」
ゆうくんの頼みに戸惑う。どう応えたら良いんだろう……
「頼む…」
まっすぐに見つめて言うゆうくんから視線を外す事ができない。
「ゆうくんは……それで良いの?」
「あぁ…俺はそれしか望まない。」
ゆうくんはきっぱりと強い意志を口にする。