溺愛〜ラビリンス〜
「あぁ…」
背後から龍也くんの返事が聞こえたけど、ドアが閉まってそれ以上外の音は聞こえてこなかった。
落ち着いた雰囲気のロビーをキョロキョロとしていると、ゆうくんはフロントへと向かう。
手際良く部屋を取り、ボーイさんに案内され部屋へ向かう。
エレベーターは最上階を目指し、止まるとチンという高い音を上げドアが開いた。
ボーイさんが私達の部屋のドアを開けてくれて中に入ると、机の上にキーを置き、恭しく挨拶をして出て行った。
「ゆうくん……」
私は力のない小さい声を発した。
「柚……」
ゆうくんも小さい声で私の名前を呼ぶと、私をギュッと力強く抱き締めた。
ゆうくんの胸に顔を埋めていると、上からため息が聞こえてきた。
「ハァ……」
私は顔を上げゆうくんを見た。
「柚……」
そう言うと、ゆうくんは顔を近づけてきた。
ゆうくんの唇が触れた。ゆっくりと唇を貪られだんだんとキスは激しくなっていく。