溺愛〜ラビリンス〜
「いや……今まで翔真がそんな事言った事なかったからさ…ちょっとビックリした……。」
爽が答えると翔真はおかしそうに笑った。
ただの仲間として親友としての時間や会話は俺達が総長、幹部になってからなかった。翔真も同じ事を思っているんだろう。
「俺達はこの街を守っているチームだ。」
翔真が確認するように言ったから、俺達はみんな真顔になって返事をした。
「「あぁ。」」
「これからもよろしく頼む。」
翔真が俺達に頭を下げた。今まで翔真がこんな事を言った事もした事もなかったからみんな戸惑ってしまった。
「翔真!」
「止めろよ…」
焦ったように凌や健人が声をあげ翔真を止める。
俺達みんな、こんな事は始めてでどうして良いか分からないし、こんな翔真を見て胸が痛かった。
景色を眺めながら翔真が煙草に火をつけ俺達も、倣うように煙草を出した。
「翔真…この景色と同様に俺達の友情も変わらない。この先どんな事があっても俺達は翔真の味方で、総長の支えになれる様に努力するから俺達の事を頼れ?」
凌が俺達が一番言いたかった事を翔真に言った。
翔真に俺達の気持ちは伝わったようだった。