溺愛〜ラビリンス〜

その後、俺と凌に説教される爽に同情の目を向けた翔真は助け船を出した。


「……もう良いだろ?爽気持ちは伝わった。」


翔真は煙草を消しもう一度街並みを眺めてから背を向けて俺達に声をかけた。


「戻るぞ?」


翔真の言葉にみんな頷きバイクに戻る。エンジンをかけさっきと同じ順でスタートした。


大分、日が暮れて薄暗くなってきた。





カーブの多い下り坂を軽快に進んで、一定の距離をとり走る。





山道をかなり下った頃、異変が起きた。突然翔真のバイクの前に何かが飛びだしてきた。

俺は慌ててブレーキをかける。


しかし先頭を走る翔真はいきなり目の前に飛び出されハンドルを切り、ブレーキをかけるが間に合わない。


キキーッ
ガシャーンッ
ドンッ


翔真はバイクごと体が吹っ飛び激しく地面に叩きつけられた。


「翔真!」


俺は慌ててバイクから下り翔真に駆け寄る。みんなも俺に続き駆け寄り声をかける。






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