溺愛〜ラビリンス〜

三浦 翔真 side


「ユズ姫にとって誰よりも近くて、誰よりも頼りになるのは翔真だよ。翔真がユズ姫を守らなきゃ誰が守るんだよ?」


凌の言葉で凍りついた心が少し和らいだ。

そうだ俺は柚を守る為にキングと呼ばれるまでになった。


ガキの頃から柚を守る事は俺の役目。それは今もこれから先も変わらない。


「好きで兄貴をやってんじゃねぇ!」


と凌に言ったが俺と柚は本当の兄妹じゃない。



俺が二歳の時柚はうちに引き取られた。柚の本当の母親は母さんの妹、俺の伯母だ。


柚を産んだ伯母は産後の肥立ちが悪く、産後2日で亡くなった。


柚の両親は学生結婚だったらしく、柚の父親はまだ当時大学生だったらしい。


生活するのもやっとなのに、赤ん坊が居たんじゃ働く事も大学も諦めなければならない。
どうにもならない父親は義姉である母さんに柚を頼んで来た。


元々女の子が欲しかった母さんは、まして妹の子なので二つ返事で即答したらしい。

そして俺に妹ができた。


初めて柚を見た時、俺は柚の可愛らしさにこれは俺のものだと思った。
俺にとって運命の出逢いだった…



それから柚をあらゆる事から守り、見守り、愛して来た。





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