溺愛〜ラビリンス〜
「じゃあな!」
俺と凌はそのままバイクに乗りエンジンをかけると出発した。
翔真の運ばれた竹内総合病院はバイクで15分強の場所にあった。救急車ならもう少し早く着いたかもしれない。
正面玄関から凌と二人で病院内に入り、翔真がどこにいるのか確認する。
「すみません、救急で運ばれた三浦翔真の知り合いなんですが…今どこにいますか?」
「三浦翔真さんですか?少々お待ち下さい。」
凌が受付の事務員に聞くと事務員が調べてくれる。
「今、手術中ですね。2階の外科棟にいらっしゃいます。」
「ありがとうございました。」
俺達は急いで2階に向かった。
2階に上がり外科のフロアーに行くと健人に出くわした。
「健人!」
俺が声をかけると健人がこちらを見る。
「早かったな…」
「あぁ…それより翔真は?」
「さっきまで検査してた。MRIの結果で脳は大丈夫だって意識は戻ってないけどな…それと…左腕を複雑骨折しているらしい。手術が始まったばかりだ。」