溺愛〜ラビリンス〜
「そうか……」
取り合えず頭に異常がなくて良かった。まあヘルメットかぶっていたからな……健人の話しを聞いてホッとした。
「兎に角行こう。」
凌に促されて、俺と健人は歩き始める。
健人に案内されて長い廊下を歩くと、場所は病院の奥まった場所で廊下には人が集まっていた。
「渉、爽達が着いた。」
健人が声をかけると渉がこちらに近づいて来る。
「あぁ…ご苦労様。警察の方は大丈夫か?」
「あぁ…本人が意識が回復してから事情を聞く事になるだろう。あと家族にも警察が話しを聞きに来るみたいだ。」
凌が渉に報告をする。
「そうか…」
「みんな色々ありがとう。」
俺達が話していると、おばさんが声をかけてきた。
「おばさん、俺等が一緒にいたのに翔真がこんな事になってすみません。」
凌がおばさんに頭を下げて謝ると、おばさんは表情を歪める。
「凌くん気にしないで。あなた達が悪いんじゃないわ。誰のせいでもないんだから。逆にみんなに迷惑かけてしまって申し訳ないわ。」