溺愛〜ラビリンス〜
「……言葉は悪いが、まぁそう言う事になるな…」
俺の頭の中でブチッと音がした。
「ふざけんな!姫をレイプするのか!ユズユズは心に傷を負ったばかりなんだぞ?それを黒王子まで同じ事をする気か?」
「黒田…悠斗はレイプなんかしねぇよ。ちゃんと姫の同意は得ている。」
「ハア?」
工藤の言葉に大きな声が出てしまった。そんな訳ないだろう。俺には信じられなかった。
「兎に角、お前達の事情は分かった。できるだけ早く姫を病院に届けるが、こちらの事情も分かってくれ…この事は悠斗にも姫にも、全て終わって連絡がくるまで伏せさせてもらう。」
「おいちょっと待て!」
ピッ!
俺の話しを聞かず工藤は電話を切ってしまった。
「チッ!」
電子音の鳴る携帯を握り締め舌打ちをする。こんな事を翔真に言えねぇよ!心の中で毒づきながら仕方なく携帯を操作する。数コールの後渉が出る。
「はい…爽どうした?柚ちゃん見つかったか?」
渉は翔真の容態を気にしつつも、ユズユズの事が心配なようで勢い良く聞いてくる。