溺愛〜ラビリンス〜


「亜莉沙…」


「柚、大丈夫?」


心配する亜莉沙に


「大丈夫だよ。ゴメンね。」


と言えば、少しホッとした表情で


「そう…。それなら良かった。」


と言う亜莉沙にこの状況から助けてくれた事に毎度ながら感謝する。


私はゆうくんとあつくんの方を向いて


「ゆうくんもあつくんももうケンカしないで。お願い。」


と言うと二人共ヒートアップしていたのが、嘘の様に落ち着いた口調で


「わかった」

と言うゆうくん


「うん。困らせてゴメンね。柚ちゃん。」


と言うあつくん。

とりあえず、これ以上ここにいてみんなの注目を浴びるのは嫌なので


「もうチャイムなっちゃうから教室に行くね。ゆうくん、またね。」


とゆうくんに話しかける。

亜莉沙とあつくんは同じクラスでA組、ゆうくんはC組なので、ゆうくんとはここでお別れ。


「チッ」


と舌打ちした後、


「あぁ…」


とゆうくんは返事をした。






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