溺愛〜ラビリンス〜
「柚大丈夫か?」


「うん大丈夫…」


俺が心配して聞くと、柚は戸惑った表情をしながら、俺を気遣って平気そうな振りをしてくれた。


「そうか…」


そんな雰囲気の中ショーが始まった。



ショーは楽しかったみたいで柚はすぐにショーに集中しだした。


全くガキみたいだな…と思いながら俺はショーでなく柚の事を見ていた。



無事にショーが終わり、柚は興奮している状態で会場を出る。


柚が喜んでくれた事にホッとして、俺も嬉しくなる。柚の嬉しそうな顔を見るのが俺にとっての幸せだ。



会場を出ると見ていない残りのコーナーを回り、ショップでお土産を買った。

柚は翔真やチームの奴等、親友達にお土産を選んでいた。その姿を見ていると、俺とお揃いのお土産を買うと言い出し、張り切って選び始める。


レジを済ませると、柚は嬉しそうに俺にお土産を渡してきた。


「フフフッ…可愛いのが買えて良かった。」


「柚が気にいって良かった。」


柚が寄越したのはクリスタルのイルカの置物らしい。柚とのお揃いは俺の気持ちを浮上させ、口角が上がったのが自分で分かった。




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