溺愛〜ラビリンス〜
本当に柚の素直な気持ちをそのまま言ってくれているのだろう……俺は柚から視線を反らす事なくじっと次の言葉を待った。
「だから…ゆうくんに告白された時、びっくりしたけど嬉しかった。」
「柚……」
俺はゆっくり目を閉じてため息をついた。
「あれから私、いっぱい考えた。ゆうくんの気持ちに向き合って考えたの……あのね?翔兄ぃからも好きだって言われたの……だから私は誰を恋愛対象として好きって思っているのか……誰の気持ちに応えたいのか……真剣に考えた。」
「………」
「ゆうくんも私の事をいつも守ってくれて助けてくれて好き。翔兄ぃも……いつもいつも…私を守ってくれた。小さい時からずっと傍にいてくれた。二人共とっても大切な存在だって改めて気付いたの……正直どうすれば良いか分からなくなっちゃって……それ位大切なの……」
目を閉じているが、柚の声が震えているのが分かった。泣いてしまいそうなのを堪えているのだろう……もう柚が言わんとしている答えは聞かなくても分かっている。
「そう思っていてその上で考えて……」
言葉に詰まる柚の背中を押すように声をかける。