溺愛〜ラビリンス〜
「…今回の事は、組とは関係ない。悠斗と柚ちゃんが決めた事だ。そして俺は悠斗の指示に従っている。当初の約束と違ってるのは悪いと思っている……でも、今回は見逃してくれ。悠斗の最初で最後の我が儘だ。頼む!」
そう言って島谷は深く頭を下げた。その状況にボルテージの上がっていた爽も呆然としている。
それはそうだ。坂本組の次期幹部が決まっているに等しく、学校でも成績優秀で教師にも一目置かれている島谷は、こんな事をするような事はない。その島谷が俺達に頭を下げたまま動かない。
まさかの状況に俺もどう対処して良いか一瞬怯んでしまった。だが、今はそんな呑気な状況ではない。一刻も早くユズ姫を翔真の元に連れて行かないと…
俺は気を取り直し、頭を上げない島谷に声をかけた。
「いくらお前が頭を下げたって、何の足しにもならねぇんだよ。」
俺の言葉に反応して頭を上げた島谷は、真っ直ぐに俺を見据えた。
「お前達にはお前達の事情があるだろうけど、こっちにも事情があるんだよ。まして約束を破ってるのはそっちなんだ、こっちの事情を優先させてもらう。姫の居場所を教えろ。」
俺が静かに言うと、島谷は首を横に振った。
そう言って島谷は深く頭を下げた。その状況にボルテージの上がっていた爽も呆然としている。
それはそうだ。坂本組の次期幹部が決まっているに等しく、学校でも成績優秀で教師にも一目置かれている島谷は、こんな事をするような事はない。その島谷が俺達に頭を下げたまま動かない。
まさかの状況に俺もどう対処して良いか一瞬怯んでしまった。だが、今はそんな呑気な状況ではない。一刻も早くユズ姫を翔真の元に連れて行かないと…
俺は気を取り直し、頭を上げない島谷に声をかけた。
「いくらお前が頭を下げたって、何の足しにもならねぇんだよ。」
俺の言葉に反応して頭を上げた島谷は、真っ直ぐに俺を見据えた。
「お前達にはお前達の事情があるだろうけど、こっちにも事情があるんだよ。まして約束を破ってるのはそっちなんだ、こっちの事情を優先させてもらう。姫の居場所を教えろ。」
俺が静かに言うと、島谷は首を横に振った。