溺愛〜ラビリンス〜

そんな事を考えていると翔真が柚ちゃんを連れて屋上に戻って来た。

さっきまでの翔真でなく機嫌の良い翔真。柚ちゃんの効果は絶大だな。


でも翔真は独占欲丸出しで下の奴等が挨拶してきたのに挨拶をしようとしている柚ちゃんを手を引きどんどん進む。


困り顔の柚ちゃん。かわいそうに…


俺達幹部の近くまで来たから爽や俺が声をかければ笑顔で答えてくれた。


俺が翔真の今朝までの状態を話し、柚ちゃんへの溺愛ぶりを伝えれば気まずそうな表情の柚ちゃん。


その後翔真が嫉妬から柚ちゃんを困らせる行動をしたが、二人は昼食を食べ始める。


「翔兄ぃお弁当食べよう。」


お弁当を広げるといつも美味しそうなおかずが並び、チラッと見ると栄養のバランスを考えたり、翔真の好みを取り入れたりしているのが分かる。柚ちゃんも翔真の事を大事に想っているのが分かる。微笑ましく思いながら二人の様子を俺達は見ていた。


柚ちゃん手作りの弁当を食べ機嫌が直った翔真は柚ちゃんに声をかける。


「柚、うまいよ。」


卵焼きを食べながら穏やかに微笑んだ。これがキングと呼ばれ、みんなに恐れられる男とは思えないな……





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