溺愛〜ラビリンス〜
「俺は柚ちゃんと病室に行くから、お前達は黒王子の対応をしてくれ。」
渉が俺達3人に指示を出す。
「分かった。」
俺がそう返事をすると、凌が口を開く。
「渉…ここじゃ話しもできないから、俺達は黒王子を連れて倉庫に移動して話しをする。」
「そうだな。」
人気のない病院の外来の待ち合いロビーで、この後の打ち合わせを済ませた俺達の耳に着信音が響き渡る。
俺の携帯が鳴っていた。ボケットから取り出すと通話にする。
「鈴原だ。」
『島谷だ。今着いた。キングは何階にいるんだ?』
「…先ず俺達のいる外来のロビーに来てくれ。」
『…分かった。』
通話が終わり、みんなにユズ姫と黒王子が着いた事を告げた。
俺達しかいないこのロビーが緊張の空気で包まれた。