溺愛〜ラビリンス〜
時間的に静まり返ったホテルに到着した。
車が入口前に着くと、入口の自動ドアがすぐに開いた。中からは悠斗到着真っ青な顔色の柚ちゃんが出てくる。
俺と森は車から降りて二人を出迎える。
「お疲れさまです。」
森が挨拶をすると悠斗はあぁ…とだけ返した。柚ちゃんは、いつもなら挨拶をするけど、今はそれ所じゃないんだろう、森の事も目に入らないようだ。まぁ仕方ないだろう…
「待たせたか?」
俺は悠斗に話しかけた。
「いや…丁度良かった。」
「そうか…じゃあ行こうか?」
「あぁ…柚?大丈夫か?」
悠斗が視線を柚ちゃんに向け、気使いながら車へと乗り込む。
俺達も車に急いで乗り込み、車はホテルを後にした。
車が走り出すと、やはり重苦しい空気の車内にみんな黙り込む。
「翔兄ぃは…大丈夫なの…?」
か細い声で柚ちゃんが沈黙を破って聞いてくる。
「俺達も詳しい事は聞いてないんだ。鈴原達と話した時の話しだと、手術をしている最中だってその時は言っていた。」
「手術…」
柚ちゃんは俺の説明に言葉をなくしてしまう。