溺愛〜ラビリンス〜
姫と王子

坂本 悠斗 side


翔真から呼び出しを受けた屋上を後にし階段で淳稀と話しをした後、自分の教室に戻った。



席に着くと待ち構えていた様に大輝がテンション高く聞いて来る。


「どうだった?キングの機嫌は?」


「うるせぇ。」


一言だけ言う。


「悠斗ご機嫌斜めだねぇ。」


大輝は気にする様子もなく、神経を逆撫でする様に続ける。


「話しかけんな!」


更にイライラして怒鳴るがこいつはビビりもしない。まぁ、仕方ないか…ガキの頃から一緒に育って来たんだ、誰よりも俺の事を分かっている奴だからな。



こいつ工藤大輝(くどうたいき)は親父の親友の息子だ。
俺が五歳の時、両親を亡くした大輝がうちに引き取られた。そして兄弟として俺達は育てられた。


高校に上がり親父の命令で俺は若頭となった。その時大輝は俺の側近の一人となった。
だが基本こいつは変わらない。仕事になればオンオフを切り替えているがそれ以外の時はこんな感じだ。

それが安心できたり心地良い時もあるがうぜぇ事のが多い。
今は話しかけんな!って思う程うぜぇ。






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