溺愛〜ラビリンス〜
すぐにメニューを決めて注文をした。朝だからあまり重いものは食べれないかなと思ったので、私はサンドイッチとスープにした。お母さんは和食の定食を頼んだ。
そんなに時間がかからずに頼んだものが運ばれてきた。できたての美味しそうな匂いの朝食にお腹が空いていた事を思い出して声が出てしまう。
「美味しそう!」
「本当ね。さあ頂きましょう?」
「うん!」
「「頂きます!」」
私とお母さんは、パクパクと無言で食事を始めた。
無言で食べ続けて食べ終わる頃、やっとお母さんが口を開く。
「柚…翔真が目を覚ましたとしても、今までのような生活ができるか分からないわ…意識が戻らない今も大変だけど、目覚めたらもっと大変になるかもしれないんだから、覚悟してちょうだいね? 」
「うん…」
昔から元気が良くて、みんなの中心的な存在の翔兄ぃが、そんな風になるなんて想像できないけど…でもどんな翔兄ぃでも支えて行こうと心の中で固く誓った。
今までいつも守ってきてくれた翔兄ぃに対して、今度は私が翔兄ぃを守って、助ける番なんだと思う。