溺愛〜ラビリンス〜
「若、お帰りなさい。」
運転席から森が声をかけて来る。
「出せ。」
一言言えば、森が車を発進させる。
森は二十歳で組に入って2年になる。今年俺が若頭になった時、大輝達と同じく俺に付いた。主に俺の運転手として側にいる。
学校を後にしてこれからは若頭としての時間だ。車は俺達の住むマンションへと向かった。
俺達の住むマンションは学校から車で五分程の所にある。
高校に入った時、俺と大輝は本家から龍也は実家から、それぞれ独立してこのマンションに住む事はになった。
俺達の部屋は同じ25階だ。セキュリティが万全のこのマンションに俺達を纏めて住まわしたのは親父達の陰謀だ。まったく…
マンションに着き俺達三人は車を降りた。
「森、30分後に出る。」
森に指示を出しエントランスへと進む。
龍也が先にエレベーターまで行きボタンを押していた。俺がエレベーターの前まで行くとすぐエレベーターが来た。
三人でエレベーターに乗り込み25階へ。エレベーターが開き降りると
「30分後に出る。」
二人に確認して自分の部屋へ入る。